2013-01-01から1年間の記事一覧

Merry Xmas

公園に伸びた 二つの長い影 つながりもせず 離れもせずにもどかしさのすき間を 駆け抜けた北風 思わず体を寄せ合い そして微笑んだ瞳どこからか 遠く聞こえる 子供のキャロルいつまでも このままずっと 抱きしめていたいやがて空から舞い降りる 冷たくて あ…

緩 和

喉元すぎれば熱さを忘れるそう感じる人が うらやましいね喉を熱しながら やがて胃袋で暴れようやく胸の痛みは治まっても 苦痛は脳裏に いつまでも留まったままそれが普通だと思うけど……熱さを忘れる人はきっと 若い時の苦しみなんて 鳥につつかれたようなも…

公園にて

雲ていを眺めて思う 必死にしがみついたあの日鉄棒を眺めて思う 挑戦をあきらめたあの時ジャングルジムを眺めて思う もがき続けたあの夜ブランコを眺めて思う 行ったり来たりの毎日公園で……グラウンドを眺めて思う 駆け抜けて来た そんな僕の道程

秋の訪れ

秋の訪れを感じるものは 道に伸びる影の長さと 薄く広がる雲の漂いそして 君の「おはよう」の白い息が 朝もやの中に揺れる時……なんてまるで 何だか詩人みたいだな現実的には 流し台がポン!って音を立てて ドキッとさせられた時さUFOのお湯を捨てる時にね

パラレル

人生につまずいたあの日は 完璧に自分を見失った人生につまずいたあの日は 大音量のヘッドホンで 脳ミソをグチャグチャにした人生につまずいたあの日は 意味の無い言葉を わめき続けていた人生につまずいたあの日は 死ぬことだけを夢見ていたそしてまた人生…

ちぎりパン

「ねぇ、何か食べる?」 「ぶっちぎりパン」 「えー? 何それー!」 「俺にふさわしいネーミングさ」と笑った車窓の先には ちぎったパンのような いくつもの雲がひしめくでも その一つ一つを数えられる こんなノンビリ旅も たまにはいいもんだな追っ手をぶっ…

テンダネス

一緒によく来ていた 昼下がりの喫茶店通りのカップルを眺めながら 自分たちの方がラブラブかな あの二人には負けるかな などと思っていたものさひとり笑う僕に 「どうしたの?」と 尋ねた君が懐かしい時は流れ 思い出が消えるように あの店も無くなったけど…

アクシデント

久々のドシャ降りだったけど ようやく止んでくれたな薄雲の向こう側で あちこちの傷痕を見ながら 太陽は苦渋の表情だけど明日にはもっと いつもの日常に戻っているかな戻ってるといいけどな君の笑顔が見たいし 君に笑顔を見せたいし……

心 安

初めて会うはずなのに 旧友との待ち合わせ気分初めて会ったはずなのに 長い付き合いのような気分それでいてとても 新鮮な気持ちに包まれるその理由は 想像どおりの人だからなのか あるいは単に 気取らずに話せるからなのか特に詳しく 考えるわけでもないけれ…

まさか

「さて最後に 人生には三つの坂があります 上り坂と下り坂そしてもう一つは コクリコ坂です」ええっ? 何だそれ……「そう、長い人生には 思いがけない坂が 無数にやって来ますどんな難関が立ちはだかっても 上を向いて歩いていきましょう! 本日はおめでとう…

あだし心

君が笑ったから 僕も笑った君が怒ったから 僕も怒った君が泣いたから 僕も泣いたそして 君と合わなくなったから 僕も合わなくなり君が会わなくなったから 僕も会わなくなった君がやがて記憶から 消えてなくなったもう二度と 会いたくはないさ鏡の中の 偽りの…

真夏のポエジー

水平線まで キラキラと揺れる波微熱を心に感じて 走り出す潮風の中君は無邪気に 大きな声ではしゃいでるそんな まどろみの午後この夏で一番の 君は僕に素敵さその笑顔は 今日も空を 青く照らすから

出 奔

逃げろ 誰よりも速く逃げろ 力の続く限りこの場を去ることで その身が守れるのなら逃げろ 何もかも振り切って逃げろ どこまでも遠く逃げて逃げて 逃げまくれ

少年の夏

カブトムシ捕獲のため 必死にしがみついた木の幹やがてズブ濡れになるのに そろそろと入った川の中行方を見失わないよう 夢中で追いかけた外野フライ枚挙にいとまがない程に 子供の頃の思い出は 真夏の背景が多い理由それは きっと途轍もなく 楽しかったから…

落書き

まったく誰だよ こんな所に絵なんか描いたのは 決してうまいとは言えないが 下手だなーほらほら 見てる時間があるなら さっさと消してえっ、できない? 途方もなく古い落書きなのに?まぁ何かの研究対象みたいだから 今回だけは許すけど もし次やったら デッ…

有明け

ほら 聞こえないかい? 遠くで君を呼ぶ声がいつか 聞こえるはずだよ 確かに君を呼ぶ声がそう 誰もが決して 一人じゃないのさたとえひと時 孤独の闇に包まれても 明りはきっと灯されるだから君も さあ 顔を上げてごらん……なんて言葉は 照れくさくて 決して口…

救 い

人として 恥ずべきことを考えて 人として 最低なことをやらかしてこの存在など クズ同然と頭を抱えた夜「あまり悩むんじゃないよ」……そんなふうに どこからか聞こえてくる 救いのささやき「憎まれっ子は世にはばかるし」そうか自分も「人の不幸は蜜の味わい…

名間柄

君のナマエが 死ぬほどに好きで どこかで同じ名を目にする度に 胸が高鳴ってしまう僕だけど さん付けにするか ちゃん付けがいいか…… 迷っているうちに 今日も苗字でしか その名を呼べなかったもうデートも 結構な回数を重ねているから 本当はお互い 呼び捨て…

停滞前線

いつまで経っても 降り止まぬ雨どれほど濡れても どれほど汚れても 降り止まぬ雨暖かな日が差し込んでも 乾いた風が吹いても 止むことはなくどれだけ叫んでも どれだけわめいても ますます重く のしかかるだけでも君が 傘を差してくれるから 何とか自分を 保…

大食漢

よっこいしょ! んー? 変だな 書類は全て提出したし 弁当も残さず食べたのに どうしてこんなに カバンが重たいんだろう そんなに疲れても いないのにな…… あぁそうか 底に札束を入れっ放しだった ……なんてことを 冗談以外で言ってみたいもんだけど お前が側…

前 世

記憶力の良さを誇示して 幼少の頃の思い出を 自慢そうに喋る人その側から 胎内にいた時の記憶を 話し始める者が出現そして更には もっと以前を語る者まで現れ 前世の出来事なんだとか呆気にとられる自分に 「アナタにもそんな経験は?」 「まさか!」そんな…

ネ申

人波の中で 自分を呼び止める声 「少しお話よろしいですか?」 「アノ、チョットスイマセン」何だ またか 最初に名乗らないから 全部を聞かなくても分かる ナントカ教の人やがて話が 「あなたは信じますか?」と 結論を迎えたから 「もちろん信じますよ なぜ…

迷 惑

「あっ、路駐してる」 「えっ、どこどこ?」 「ほら、あの白い車」 「人なんていないじゃない」……?「人がいたら路駐じゃないじゃん」 「そりゃ車の中だと 路チューじゃないけど、 外にもいないじゃない」……??「だから、 車から離れた時点で路駐だろ!」 …

覆 い

独りの帰り道に 予報どおりの雨 見慣れた景色を覆う 久しぶりの雨立ち並ぶビルも 遠い山も雨の中 そして傘を忘れた 自分も雨の中……良かったな涙が誰にも 気づかれなくて

巡風前線

突然の強風が 体をすり抜ける この時期にしては 少し肌寒いけれど たまには こんな日もあるさ 側にいてくれるなら それだけでいい 暖かな風に変わって 空が色めき始めたら その時には また出かけよう 君に乗って 新たな季節を見つけに

無愛想

みんなとは一線を画して 何気にツンツンしてるそんな君に 自分をどう思う? と聞いてみたら 返ってきた言葉は 「……ぶあいそ」意外と冷静な自己分析に 思わず笑ってしまったけど いや そんな顔すんなよ大好きだからさ時々だけど 僕には 特別な笑顔を見せてく…

碧空記念日

せっかくの休みなのに 予定が決まらないまま 時間ばかりが過ぎて行くそんな真夜中 思い起こされてきたのは 汚れも気にせず 野山で遊んだ遠い夏の記憶あの時の空は どこまでも高く碧く 快い清々しさがあったスヤスヤと寝息を立てる まるで君と迎えた 初めての…

加 減

君と暮らし始めて どれくらい経つだろう 緊張の連続だったのが 今ではすっかり懐かしい面倒なこともあるけれど 楽しい出来事の方が ずっと多いから 少し迷いもしたけど やっぱり一緒で良かったと そう思うのさドアを開けたら 玄関まで迎えに出てくれる それ…

いつか

慌ただしい引越を終え 久々に君との食事だいぶ片付いたから 部屋に誘ってみたんだけど その返事は……「いつかね」やれやれ 一番当てにならない返事だでも最近はお互い すれ違ってばかりだったから 遂にやって来ただけだないつか訪れる別れが……部屋に帰ったら …

イマジン

子供の頃に なりたかった姿や 願い続けた夢とか 憧れた仕事は 大人になっても叶うことはなく 改めて知る 現実という言葉だけど 明日からも存分に 自由に思い描くだけ洒落た豪邸の一室で 白いピアノを弾くそんな空想はともかく 想像したどれかは やがては 望…