2018-01-01から1年間の記事一覧

貼り直し

「今年もいろいろあったなぁ」画面をタップしながら そうつぶやくキミに……記憶に残っているかな 初めて出会った日の空を 初めて交わした言葉を忘れてしまってるかな 初めて二人で遊んだ夜を 初めて一緒に迎えた朝をもう話題に上ることもなく だからこの機会…

日本一

君は美しいね どれだけ眺めても 飽きることはなく意外と背が高くて 威風堂々としてるけど 陽気に触れ合えるしかも どっしり構えたまま ただじっとしてるのに 絶対に文句を言われないそんな君みたいに 「ミナナロウ」と 誰もが思ったものさその肩に乗っかって…

受験勉強

初雪の便りと共に 受験勉強の記憶が舞い降りるかじかんだ手を休め カーテンを少し明けてみると かすかに見えるあの窓には まだ明かりが点いていてあいつも頑張っているんだな、と 自分を奮い立たせながら 再び問題集に取り組んだっけその甲斐あって あいつは…

笑 い

はは……ははは思わず笑う 笑いがこみ上げてくる体の力が抜けて 涙がにじんでくる誰かが言っていた 笑いは心の 最高の栄養素だとだから ついつい 笑ってしまうのかなこんなに哀しいのに……

無理難題

高所恐怖症の君は ビルの屋上はおろか タワーからの展望なんて 論外中の論外それどころか 歩道橋さえも苦手だから 道の横断も 大回りに苦労するよね全くこれじゃあ 観覧車のてっぺんで 夜景をバックのキスなんて 夢のまた夢かいや、マイッタ……できることなら…

置いてきぼり

いつ以来かな ここから街を眺めるのは知らないうちに 高いビルが建ち 気づかないうちに 風の流れも変わっていた楽しそうな場も広がり 人の往来も増えて こんなに遠くまで 活気が押し寄せてくる買い物をしている人も 食事を楽しむ人も 過ぎ行く時間の中から …

ありがとう

ありがとう 目の前に現れてくれてありがとう 話し相手になってくれてここに伝えたいのは 感謝の言葉ばかり……ありがとう 楽しい時間を届けてくれてありがとう いつも側にいてくれて

顛 末

このバイトも長いな今日も嫌な客にムカついたけど ここまで続けてこれたのは やっぱり 店頭で頑張るあのコのお蔭裏でグッタリな時 通りすがりに笑顔をくれると つらさもパッと吹っ飛ぶし たまに一緒になる帰りも わずかな会話だけで なぜかとても癒されるか…

マザー

母さん 俺はあんたを待ってたけど あんたが俺を待つことは無かった俺にはあんたが必要だったけど あんたに俺は必要じゃなかっただから あんたに伝えたい言葉は Goodbye……Goodbyeという そんな歌詞を読みながら 込み上げてきたのは心憂さ そして悲しさ……なん…

引き換え

カップの中で笑う 可愛いラテアートにほっこり どの人が描いたんだろう センスがいいな出来映えの堪能が 二人の距離を また少し縮めてくれたけど 間もなく飲みごろつまりは ひと口ごとにイラストが 静かに消えていくってことでふぅ〜楽しみを得るために 逆に…

脛 枕

怖い夢を見た……人里離れた山の中で 深い穴に転落ロッククライミングの要領で 脱出を試みたいところだが 足の骨が折れたのか ジンジン痛みが増していき 動かすことさえできない皮膚が腐る前に 喉が渇れる前に 何とかしなければ…… 誰か助けてくれ!そして 額を…

つゆ知らず

何だか寂しそうな君に ありふれたギャグを一発すると意外にも ソッコーで笑ってくれたから 続けざまに!と思ったけれど これ以上は逆効果かな…… そう感じて とっさに言葉を呑み込んだその後は 軽い会話を二言三言 やがてチャイムが響く校舎に 君は足早に消え…

キセキ

定規が引っ掛かっていたせいで ずっと放置されたままだった 一番下の引き出し静かに開けてみると 甘い空気を漂わせながら あのキャラメルのオマケや あのチョコのシールそれから あの戦隊ヒーローや あの人気アニメのグッズが ゆっくりと目を覚ましてくれた…

エール

あーあ やっちゃったな 思ってた悪い結果が 現実のものとなってしまったでも大丈夫さ こんな失敗なんて 珍しいことじゃないから逃げ出してしまう? いや踏ん張るか たいしたもんだ放り出したところで 命が取られるわけでもないのに また這い上がるとはねそれ…

どこかで誰かと

知らない町を フラッと歩いてみたいガイドブックに載ってない ディープな場所や 文字からは読み取れない 趣ある風を探しながら漠然と生きてきたことを 反省するような 適当に生きてきたことに 慢心するようなそんな当てなき 果てもなき旅……知らない町を ブラ…

ブヒッ!

なぁ、お前 ミスターピッグなんてイジられてるけど ブタの先祖はイノシシって知ってる? 人口が増えて食い物が無いから 一部が家畜化されてブタになったそうだだからブタは野生に戻ると やがてイノシシになるんだってさ これには驚きだな「そんなことどうだ…

背中合わせ

僕にとっての幸せは 君と出会ったこと……何にもうまくいかず 不発だらけの毎日に 突如として現れた君とそのあまりの嬉しさに つい調子に乗って やりたい放題だった僕少し迷惑そうな顔には 気づかないふりで 結果として 長きに亘って君の人生を 台無しにしてし…

気になる

椿はツバキ 榎はエノキ 柊はヒイラギ楸は……ヒサギ?この木なんの木ならぬ どんな樹なんだろう どこに生えているんだろう……なんてことは 植物学者でもない自分には まるで関係ないこと目にしたところで ふーんでお終いのはずだしそれより気になるのは 読み方…

ズブ濡れ

宿題やってないのに 当てられたらどうしよう跳び箱に引っかかって 落っこちたらどうしよう給食を残してしまって 怒られたらどうしようできることなら ここで引き返したいけど 学校に行かなかったら 騒ぎになるだろうし 家に帰ったら 親に叱られるだろうしは…

シャモニーにて

にぎやかなバスに揺られて ようやく終点に着くと 心地よい光が 僕を迎えてくれたここが 夢にまで見た地……西欧の片隅に 世界中のいろんな顔 フランスの小さな町並みに 世界中のいろんな言葉風に背中を押されて 登山電車に乗り込んだ僕は 手の届きそうな雲に …

お節介

いつも笑いながら 俺にからんでくるミワなのに 今日は昼になっても大人しい何か調子が狂うな 午後の授業まで時間があるし ちょっと話を聞いてやるか「どうしたどうした?」 「少し悩んでるだけ 放っておいて」「あ、そう…… ところで話は変わるけど 最近お前…

シャイ

海に光を届けてくれたから そのお礼に 波のきらめきを野原に光を届けてくれたから そのお礼に 咲き誇る大輪を雨上がりに光を届けてくれたから そのお礼に 七色の橋を心に光を届けてくれたから そのお礼に 身体中からの歓びを……照れくさいけど いま改めて 心…

サヨナラ

別れてほしいと 君がつぶやいて 僕は黙ったまま 窓の外を見つめる台風が近づいてるらしく あいにくの空模様だが 思い返せば 晴れたり降ったり 時には嵐に見舞われたり いろんな空の下を 僕らはくぐり抜けて来たでも 別れ話も三度めともなると 理由を聞く気も…

自 由

もっと自由に生きたい……束縛もなく ノルマもなく気づかいもなく しがらみもなく流行もなく 無理強いもなくそんな 伸び伸びと羽ばたける毎日……「どこが不自由なの?」いや、まぁ 考えるのは自由なんで

リターン

柔らかい朝に 柔らかい目覚め涼しい風に 涼しい顔高い空に 高い期待深い夕暮れに 深い思考静かな夜に 静かな眠り……私も地球の一部土から生まれ やがて土に還る

避 奔

大きく広げた手の平に 君は突然舞い降りた可憐で鮮やか だけど 名前も知らないきれいな蝶そっとカゴに入れて ずっと眺めていたけれど 君は出口を探し続け そして遂に わずかな隙間から逃げてしまった残ったのは 悲しんでいるような 怒っているような スケッ…

旧態依然

日差しの痛い午後なのに わざわざやって来て この場所に座るのが好きさここは そのまま切り取って 大きな額縁に飾りたい そんな特等席だから……うん 変わっていないな山麓に刺さるトンネルや 一帯にはびこる団地群など 目ざわりな物も増えたけど小さな頃から …

武勇伝

ペンの字は下手だけど 書道は得意さ コンクールで入賞したことがあるしたまにつまずくけど 足にも自信があるぞ 校内マラソン大会で 二年のとき学年一位を取ったしそうそう 同時に二人と付き合ったのは 三回いや四回か スリル満点で楽しかったけど 白髪を染め…

工 夫

靴ヒモがほどけたから 結び直す少し経ったら またほどけたから 固く結び直すまたしばらくしたら 緩んできたから やっと気づいた同じようにやってちゃダメだ結び方を変えるとか 完璧に結べたからといって 気は抜かずにいないと……でなきゃ靴ごと どこか遠くへ …

刺 激

晴れ 時々曇り 所により一時雨いつもと同じ部屋の中 いつもと同じ天気予報セミの鳴き声 時々夏休みの歓声 所により大きなクシャミエアコンの風 時々自然の風 所によりカーテンの埃変わらない青空と 変わらない日常たまには雪でも降らないかな 何かでビックリ…