旧態依然

日差しの痛い午後なのに
わざわざやって来て
この場所に座るのが好きさ

ここは
そのまま切り取って
大きな額縁に飾りたい
そんな特等席だから……

うん
変わっていないな

山麓に刺さるトンネルや
一帯にはびこる団地群など
目ざわりな物も増えたけど

小さな頃から
ずっと同じなのは
なだらかな稜線

そしてその上に
しっかり育った入道雲
それを背後から照らす深き青……

「ただいま」
何年ぶりかで戻って来たよ

相変わらずの自分を引っさげて