2016-01-01から1年間の記事一覧

区切り

一緒に過ごすことを 幸せと言ってくれるけど 総合的には どうなんだろう出会ったことを 否運だと感じるけど 大局的には どうなんだろう道のりの途中では 何が幸いして あるいは災いをもたらすか なんて 誰にも分からないけれど振り返ってみた時 起伏に富んで…

迷 路

誰かが作った迷路を 行っては戻り また行っては戻り簡単そうで なかなか難しいね行き止まりだったら 引き返せばいいんだけど いつまでも時間を 費やしてばかりいられないこの 誰かが作った迷路に 本当に出口はあるのか……胸の鼓動が激しいのは 歩き疲れたせい…

安 住

コンクリートの壁に囲まれて ここまで育ってきた もの寂しい君は歩道の片隅で ビル風に耐え 日照不足を忍びながら ようやく花を咲かせたそんな君を 大自然へと誘ってみる美しい景色と 新鮮な空気が きっと気に入ってもらえると そう信じていただけど 君から…

嫉きもち焼き

I want you お前が欲しい 狂おしいほどに…… その言葉だけを ひたすら繰り返し 吹き込んだ男 白いスーツに身を包み 4人の先頭で横断歩道を渡った 最高にイカす奴 レコードジャケットの 撮影を見ていた黒髪の恋人も さぞかし モーレツだったことだろう 遠い世…

阿蘭陀

「ねえ、この 豪州ってどこのこと?」 「決まってるじゃん オーストラリアさ」「えー! 何で?」 「いや、もう そういう決まりだから…… 米はアメリカだし 西はスペインだし」「えーっ! 西ってスペインなの?」 「何も知らないんだな 伊とか英とかは知ってる…

迎 冬

そして春がやって来た きみとの突然の出会いそして夏がやって来た きみとの歓喜の日々そして秋がやって来た きみと何度ものすれ違いそして冬がやって来る暖かくなるのか 寒くなるのかきみ次第…… ぼく次第……

ポシビリティ

何で生まれてきたのかなぁ こんな弱い体に何で生まれてきたのかなぁ こんな冷たい心に何で生まれてきたのかなぁ こんな辛い場所に何で生まれてきたのかなぁ こんな面倒な社会に何で生まれてきたのかなぁ……こんな温かく 夢が押し寄せる世界に

後悔の金星

人から明星と呼ばれ 時にビーナスと称される 私の名は金星きみに見つけてほしくて 一番星に生まれてきたきみの目を引きたくて 輝き続けてきたでも本当は 誰の力も借りず 自ら光を放つ オリオンが良かった震えるきみに 癒しを与え こごえるきみを 見守るため…

いい夫婦

また今日も 喧嘩してしまった三年目ともなると 激しさが段々増してくるねこれでまた少し 二人の距離が広がって 溝も深まった感じだけどでもその溝は 喧嘩でまた少し強まった 絆という名の土で 固く埋め戻そうやがてその上を 二人の手をつないだ子供が 安心し…

不器用

あれれ 壊れたのかな 何だか調子が悪いぞでも多分 これくらいだったら 自分で直せそうだここを外して これを付け替えて 少しずつ調整して…… ほら元どおりうん、我ながら この器用さには感心だ手先は器用なんだよな……手先だけは

話し相手

拭き上げた食卓に 君の手料理が並ぶ「どう? おいしそうでしょ ネット見ながら作ったんだけど 写真と違うの分かる?」「んーと……野菜かな」 「そうなの! コリアンダーが無かったから 代わりにセリ買ったんだけど 普通に食べれるよね?」「うん、大丈夫……」 …

背伸び

ごめんね いつも中途半端で ごめんね いつも頼りなくて気合いを入れ直しても いつも息切れ 失敗を取り戻そうとしても いつも空回りで毎日どんどん メッキが剥がれていき また会うことさえも 億劫になってしまうよ素顔を隠して 着飾ってみたかった ただそれだ…

お願い事

コピーを頼んだり 買い物をお願いしたり 取引先のアポを依頼したり 面倒な文書作成を任せたり決して暇じゃないのに いつも快く 引き受けてくれる君だから のろ間な僕の能率も上がるし つらい仕事だって その笑顔で頑張れるのさでも一つだけ 願いを聞き入れて…

パブリックビューイング

パブリックビューイングで 今日はビッグゲームの観戦喜びや嬉しさを みんなとシェアできるのが 何より楽しいね時には泣いて 抱き合って 感慨に浸ることもできるからただ不甲斐ない試合だと 胸に閉じ込めておきたい悔しさや 怒りまでもが 大勢の溜め息に押さ…

山越え

雑草を踏みながら 歩いて行こう 土をクッションにして 登って行こう急斜面をあきらめて 舞い戻って来たのなら なおさら この道を進むのがいいよやがて下り坂 やがて静かな村 やがて穏やかな海へとこの手を離さなければ きっと着けるからほんのちょっとだけ …

同 梱

じっと 見つめられた気がして あわてて振り返るでも いたのは見知らぬ人々で あわててそらす そのぶつかった視線当然だね きみがいるなんて 全く有りえない話だってここは ひと月前にひっそり 越して来た街なんだから……なのに結局 ブラシと一緒に トランクの…

オーバーラップ

誰もいないはずの教室を 何かに誘われるように ゆっくりと開けるすると そこにあったのは 逆光に眩しい君の微笑み「え、どしたの?」そう聞いてきたけど 尋ねたかったのは僕の方で 「何でもない」と どうにか一言を絞り出し ランドセルを揺らしながら 僕はそ…

Carpe diem

こい焦がれ 待ち望んだ末 最高の笑顔と共に 戻ってきてくれた君途中で何度も 心が折れそうになったけど あきらめなくて良かった気になる噂も ちらほら耳にしたけど君を嫌いになれば 苦しまずに済むのにと 自分を恨んだけど今日まで信じていて 本当に良かった…

悲 願

期待しては裏切られ 切望しては落胆させられ首を長くしたまま 途方もない とてつもない日々が流れたけどでもやっと ようやく 願いが叶う瞬間が来たようだ待ちわびた分だけ 大きな栄冠を連れて戻ってコイ……と夜空に飛び立つ 赤き熱きジェット風船に そんな願…

欠 落

降り注ぐ光によく似合う 少し硬めのソファまだ素足が快適な 少し冷たいフローリングには レゲエのリズムが刻まれ去り行く夏を惜しみながら 冷たいグラスを傾ける揺れるカーテンを目で追うと かすかな眠気を感じて 癒やされていく心と体……そんな昼下がりに そ…

躍 動

耳をすますと……ほら 聞こえてくるだろう 地球の回る音聞こえないかい 絶対に聞こえるはず鳥の歌声 風のささやきそして せせらぎの音色 遠い船の汽笛それらのみんな 全ては地球の回る音

リサイクル

森のセミを捕まえたくて じいちゃんに 虫採り網をせがんだ僕でも手渡されたのは 円を作った太い針金に 何かの袋を縫い付け それを竹棒に刺したお手製の品遊び仲間からの 哀れそうな視線に負けた僕は わざと乱暴に扱って すぐ壊してしまったんだったな次の日…

意 外

スマホで自撮りしてみた ありのままの顔いつも鏡で見てるのに どうして写真だと こうも違う印象なのか……笑ってるようで泣いている すましてるようで怒ってるまるで 心を見透かされたような そんな真実の写像に 気分は重くなるけれどでも 今夜の食事会の後に…

オノマトペ

ピンポーン ガチャ ニコニコ スタスタザーッ ゴシゴシ ザブーン ホカホカポンッ トクトク シュワシュワ ゴクゴク プハーッモグモグ ふーふー パクパク ペチャクチャ ズズーッハイハイ バブバブ よしよし キャハハなでなで スヤスヤ チュッ デレデレコックリ…

夏の浜辺

夏の浜辺は 思い出の宝庫砂を掘ったら 何か見つからないかな 岩を起こしたら 何か出てこないかなそんなふうに 何かを探しながら 実は どんどん埋めていってた夏の浜辺は 思い出の宝庫腰を下ろしただけで 幼い日に戻れる場所

アイスクリーム

自他ともに認める クールな存在そしてその甘さも 諸人に認められ柔らかな香りと 涼しい刺激で 夏の午後を彩るきみに願わくば 今日もまた 潤いを求めたい心の渇きさえも 癒してほしいと……

夜好虫

紅に染まる入道雲は 帰路につく 鳥や動物たちの時計台燃え尽きた太陽が 山の向こうで休み始めると どっと繰り出していたアリさえも きれいに消えてしまったそれが夕暮れの摂理 世のならいではあるけれど 夜になっても ねぐらに帰ろうとしない中には そんな生…

理想と現実

結婚おめでとう ついにゴールインだね 喜びいっぱいの顔が 自分のことのように嬉しいよ理想が高かったから さぞ相手探しに 苦労すると思っていたけど 意外とスンナリだったね君の決めたお相手だから あれこれ言うのは余計だけど いたって普通の男子で 正直か…

奇想天外

人は生涯を終える時 「もっと体を大切にすれば良かった」と よく口にするらしいけど 自分は一体 どんな言葉を遺すのだろう「もっと社会に貢献すれば良かった」…… いや、それとも 「あんなに人を信じなきゃ良かった」 だろうかどっちにせよ ちょっと当たり前…

ふたり並んで帰るのは 知り合いの証 そして 笑顔で食事するのは それ以上の証部屋でくつろぐのは 友達の証 そして 一緒にお風呂に入るのは それ以上の証唇が重なり合うのは 恋人の証 そして 共に朝を迎えるのは それ以上の証そしてまた考えてみる 夫婦である…