安 住

コンクリートの壁に囲まれて
ここまで育ってきた
もの寂しい君は

歩道の片隅で
ビル風に耐え
日照不足を忍びながら
ようやく花を咲かせた

そんな君を
大自然へと誘ってみる

美しい景色と
新鮮な空気が
きっと気に入ってもらえると
そう信じていた

だけど
君からは意外にも
断りの返事

「だって
こっちの方が快適だから」

そうか……

冷たいアスファルト
乾いた土も
君にとっては
最高の絨毯なんだね