2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

追い風

正面から自転車にぶち当たる やたらと強い風その重さに耐え切れなくて 思わず切ったハンドルだけど何だ…… 進む道を変えただけで すごく軽快じゃないかこの流れのまま 違う目的地に向かおう最初に決めたあそこだけが 絶対のゴールじゃないし せっかく到着して…

ビ ル

都会の土には ビルがよく育つなぁ 気がつくたびに またぐんぐん伸びているでも困るのは そのぶん空が狭くなって 光は届いてくれないし 雲の様子も分からないもちろん 悪いことばかりじゃないけどね高くまで上れば どんどん空に近づけるし街を見下ろせば 自分…

恋 愛

鉢の中から芽を出したら やがて双葉が開き 茎が伸びて 少しずつ姿を変え毎日が楽しくて しばらくは忘れずに 水やりしているけれどいつしか 存在が当たり前になってくると ついつい手入れも 後回しになってしまうそれでも可憐に花を咲かせた時は 優しい気分で…

新天地

次の強い風で ここを離れて旅立とう 高い風に吹かれながら 広い世界を眺めようどこまでも遠く 空を舞い 枯葉のように 地面を転がってやがて どこかに落ち着いたら 素敵な出会いに 胸を躍らせるのさ新しい故郷で

相合い傘

雲のすき間からの 光に目を奪われていたら また傘を忘れてしまってたもう何本目だろう中には高くて オシャレだった物もあって なぜ本気で探さなかったんだろうか と思うけど記憶をたどると ホームにわざと 置き去りにしたんだったよ相合い傘の思い出と共に………

顔 施

ろくに休みも取れず 毎日クタクタの君に 僕は何ができるだろう優しく肩を抱き寄せることか ジョークや噂話で笑わせることか互いの思いにズレがあって 余計に疲れさせてはいけない などと考えているうち 何もできずに結局 頭をかかえてしまうだけもちろん ガ…

涙の袋

今まで何度も泣いてきて もう涙の袋も カラになったんじゃないか と思うけどまだ少し にじむ程度は あるみたいだな瞳を潤すぐらいは 残っててくれないと きっと困ることがあるから悲しみにしろ…… 喜びにしろ……

人 間

祈る……絶望の淵に追い込まれた時や 思いの全てを叶えたい時なぜ無意識に 手を合わせるのだろう 指を絡ませるのだろう普段は神様なんて 気にも留めないのに ひたすら心を込めているただひたすらに……そうか 多分それは こんな自分も 人間だからなのだろう

三 陸

いつか眺めたかった 遥かな海岸線も いつか乗りたかった のんびり走る鉄道もどこか遠くへ 行ってしまって 言葉を無くし… 町も消えたどうか がれきは そっとどかしておくれ材木の下には お世話になるはずだった人が 待っているかも知れないし鉄骨の下に眠って…

奇 跡

平凡な毎日の中に 平凡という名の 奇跡が存在している毎日が違っているのだから 良くも悪くも 衝撃的なことが起こる方が 逆に平凡なのだろうなどと 哲学者か何かを気取る僕を 何それ?って笑う君が 今日も普通にいてくれるそんな ここにも奇跡が……

斜 面

ブレーキを掛けずに 一気に下る道邪魔しないでくれ 向かう先には 長い上り坂が見えるから少しでも楽に上り切って 少しでも早く 苦しみから解放されたいんだ上った先が 下り坂とは限らないけれど その時はその時ともかく今は 可能な限り 勢いをつけておきたい…

梅の花が寒そうに 雪に揺れている 冷たい風の中で つぼみに戻りたがっている 「咲くタイミングを 間違ってしまったかな」 いや 君は正確に 敏感に時期をとらえて 開花したんだ 何も間違っていないさ 少し運が悪かっただけだよ

頬 杖

肩を並べて 体を揺すって 片方ずつ聴いていた 内ポケットのプレーヤーレールにリズムが絡まる度に 僕らは微笑みあってたね記憶のかけらを 追いかけながら 車窓に頬杖明日になれば あの陽は再び昇るけど 気まぐれな君は いつか戻って来るだろうか想いの全てを…

新しい空

光を求めて 歩き続けたけど 答えは見つからず厚い雲の下 木枯しの中 一人ふさぎ込んでいたそんな季節が 今は まるで嘘のよう君が微笑むだけで 街はやがて 淡いクレヨン色に 染まっていくから……春の妖精たちと 手をつないで舞い降りた 君と歩き始めるのさ新し…