恋 愛

鉢の中から芽を出したら
やがて双葉が開き
茎が伸びて
少しずつ姿を変え

毎日が楽しくて
しばらくは忘れずに
水やりしている

けれどいつしか
存在が当たり前になってくると
ついつい手入れも
後回しになってしまう

それでも可憐に花を咲かせた時は
優しい気分で
輝く満面の笑顔を
ずっと眺め続ける

でもまた時が経てば
放りっばなしになってしまい
しおれかけた姿に
あわてて水を掛けている……

何度となく
そんなことを繰り返し

元みたいには戻らないと
あきらめた時は
静かに枯れていくよう
記憶を風に委ねる……

ひとつの思い出の終わりは
ささやかな青春の足跡