2012-01-01から1年間の記事一覧

時の存在

コヘレトの言葉が紡ぐ 時の存在生まれる時 死ぬ時 求める時 失う時……読み返しつつ考える 時の存在しがみつく時 振りほどかれる時 憎しむ時 許す時そして改めて思う 時の存在出会う時 語り合う時 ゆく時 くる時その流れを悦ぶ 時の存在

何 様!?

昇進を目指せとか 身だしなみに気を配れとか 一体何サマだよ好き嫌いを無くせとか 健康を心掛けよとか 大きなお世話さ真っすぐ帰れとか ゲームし過ぎだとか 楽しみを奪わないでくれ!と、頭の中で思っても 決して口には 出せないんだよなぁ奥サマには……

大 波

遠くの方から 押し寄せてくる大波浜辺に返ろうにも 身動きできない ここは海のど真ん中しょうがないから いっそこのまま 飲まれることにするか戻ったところで 遠くに逃げる時間もないし どうせさらわれるのなら ここで覚悟を決めるさ荒れ狂う波の中 身をかが…

慣 れ

手に汗を握りつつ 初めて開く扉 そっと覗いた中が 暗くても明るくてもまた緊張して キョロキョロしながら そろそろと歩く やがて徐々に 状況を把握そして気持ちが緩む頃 大コケしてしまうのも よくあるパターン 慣れた頃が危ないのは 言うに及ばず 適度な緊…

待ちぼうけ

街の風が強すぎて 芯まで冷えてしまった今すぐこの体を 暖めてほしいのに 君は灰色のコートで 遠くから微笑むだけ早く側に来てくれないか さっきからずっと 待ち続けているのにさ願っても叫んでも 思いは届かず 今日も僕を悩ませるそんな君は 雲上の太陽

美 味

正午のチャイムと共に TVも聞こえないほど にぎわい出す食堂 テーブルを挟んで 雑談に花を咲かすと いつしか話題は 初めて好きになった異性に…… 自分に振られる度に ベラベラ喋ったり あるいは知らんぷり いつしか箸も止まって せっかく温めたご飯も もう…

校終懐道

二人 肩を並べて歩いた道毎日のように 一緒に帰ったね 夕陽を背負いながら 笑い合うだけで 部活の疲れも吹き飛んだ 一日のうちで 最高に好きだった時間…… そんな 懐かしさに引っ張られながら 再び踏みしめるこの道 振り返っても何も無く ただ在るものは 前に…

皮 肉

どこかの外国人が 「日本人は 時間に厳しいと言うけれど 終業時間を守らない」 と皮肉ったそうだけど どっちもどっちでご苦労なことだその点うちは キッチリ守られてるな 6時になったら 10分以内にタイムカード 打たなきゃいけないからねもっとも…… いつも…

永久に友に

生まれながらの人見知り 追い討ちを掛けて ぶきっちょ者で 夢中で恋しても1年と続かず……そんな僕なのに どうしてなんだろう 君とはもう3年も続いてるよ何でだろうと あれこれ考えて たどり着いた答え それは 「相手が君だったから」という ただそれだけの…

緊 張

いつも一緒に 何てことない話をしてるのに どうして二人きりだと そんなに緊張するのかな小刻みに震えている 君のコーヒーカップに 少し調子が狂うけどもしかしたら 結構ドキドキしている僕の緊張感が 移ってしまったか……「そんなに緊張しないで」 と笑いつ…

小 窓

小さな窓枠に映る 秋色の広葉少し前まで 鮮やかな緑だったのに 時間は確実に 流れているんだなもっとさかのぼれば 風に揺れた若枝が 時おり見えてただけなのに今では窓の真ん中で 凛と教えてくれる 確かな季節の変化もっと大きなガラスなら 幹の太さまでもが…

案山子

乾いた田んぼの真ん中で 踏ん張り続けるカカシ君収穫が終わって 祭りも済んだのに いつまで立ってるのあ、なるほど 今はまた 来年の豊かな実りのために ずっと見守り続けているのか君の役目は 誰にも感謝されないし 目立たないけど とても大切な仕事だなそう…

心 配

君と出会って どれぐらい経つだろうずいぶん前から のような気もするし ついこないだから のような気もするけど 出会えて良かったと 心からそう思うよでも君にとっては この出会いは本当に 良かったことなんだろうか他の誰かだったら 全く違う世界なのに……と…

フィット

お気に入りの 自分サイズのシャツ しっかり着こんだせいで もうすっかり体の一部……のはずなのに どうして今日は 何気に違和感があるんだろうあぁ何だ! 考え事をしてるうち いつの間にか ボタンを掛け違えていたんだもうミスしないように 気をつけるからさだ…

テディベア

いつも見かける君だけど その声を 一度も聞いたことがない誰かと楽しそうに おしゃべりしてるのも 一度も見たことがないないや、いいんだ 君にはヘッドホンと 可愛いぬいぐるみがいるからねでも本当は いつかは君と仲良くなりたいのさ心で通じ合える 君だけ…

結び目

君には見えないだろうけど 僕らの赤い糸には 何箇所も結び目があるんだ細くなって 切れそうな所に駆け寄っては 何度も結び直したからしかもそのせいで 二人の距離も 少しずつ縮まってるんだよつなぐ度に 結びしろを思いっきり 長く取ったからねそれより何よ…

クシャミ

寂しさに包まれても 誰も気づいてくれず 強烈な寒さに襲われても 誰にも温めてもらえず多くの人に囲まれながら 自分の孤独を知る誰かに分かってほしいけど 伝える相手も 勇気さえもなく 今また クシャミをしても一人……もしこれが 誰かの噂のお蔭なら それだ…

普通列車

この町に着くまで 一体どれだけ遠回りしただろう 途中下車しなかったら もっと早く来れたんだけどなでも 思いがけない車窓に心が震えたし 当てなく降りた駅から 多くの思い出もできたから 良くも悪くも 充実の旅だったと思うそして今また 線路が分かれている…

別 離

いよいよ明日は お嫁に行く日ですねいつも貴女の弾んだ声が 聞こえていたけど 本当にお別れになるんですね抱きしめてくれたり 髪を梳かしてくれたり いろいろありがとう どうか幸せになってねできることなら きれいなお花の首飾りを もう一度作ってほしかっ…

粗大ゴミ

「大事にすれば まだまだ使える」そんな言葉と共に 亭主がゴミに埋もれているポスター まだどこかの街角に 貼られているかなそんな処分は御免だけど 最近は君の前で ダラけてばかりだから 自分も危ないものだただ僕は できたら資源ゴミ扱いで お願いしたいね…

好きな所

「私のどこが好き?」「えーと、え……笑顔かな」と とりあえず君を安心させる急な質問に驚いたけど うまく答えられたな…… 本当は ちょっと違うけどただ あまり考え過ぎると 「何もないの?」とすねるから あわてて返したんだが 実を言うと ココっていう 決め…

ファントム振動

「あっ、ブルった!」 急いで胸に手をやる僕でも そこにあるのは さっきポケットに入れたまま ずっと眠り続けているケータイ「何だ…… また気のせいか」もう何度目だろう 最近では 日に3回は着信バイブが 震えたように感じる期待はしていないけど やはり心の…

処 暑

いつものように 電話を掛けて いつもと同様に 他愛の無い話 ただ少し いつもと違うのは 元気が無いことと 通話時間が減ったこと そして 会話を終える頃になると 声に張りが戻る君に 僕は秋の気配を感じつつ 切れた電話を握ったまま 頬杖をつき ため息をつき …

鬼ごっこ

広い公園をいっぱいに 走り回った鬼ごっこまぶしく照らされる 大好きだったあの子を 猛ダッシュで捕まえて そしてまた 捕まえられて……あれから何度の 夏が駆け抜けただろう 鬼ごっこなんて 遠い遊びとなった僕だけど今は君を 離れないよう捕まえて そして時…

時 間

楽しい日ってのは 時間が早くて困る でも振り返ると とても長い一日だ対して退屈な日は 時間の経つのは遅いのに 振り返ってみると あっという間の一日で時の流れは均等なのに どうして感じ方が アンバランスなのか……そうこう考えているうちに また日が暮れて…

おみくじ

はるばるやって来た 縁結びで有名なこの神社なのに せっかく引いたおみくじは 何と凶でも君はサラリと 「大丈夫! あなた風に言えば 今から大吉に向かうのよ」僕は苦笑いしつつも 彼女となら いつか凶がやって来ても うまく乗り越えられるかな……そんなことを…

この翼で どこまで行けるだろう 遥かな山稜も 越えられるだろうか 考えあぐねているうちに また日が暮れるから 意を決して今 飛び立つ風を切り 嵐を突き抜け そして やっと見つけたその人を この狭い背中に乗せて 低く高く 再び舞い戻って来る…… そのために…

爪先立ち

君が爪先立ちで ピョンピョン歩いて来るせっかくプールに来たのに サンダルを忘れるなんて おっちょこちょいだなそういやいつか ぬかるみを歩いた時も 同じようにしてたけど 危ないから やめた方がいいよ爪先立ちしていいのは バレエを踊る時と 立ったまま僕…

風 景

陽が射し込む窓辺 小鳥が舞い降りるベランダ扇風機が回る空間 つぼみが膨らむ庭先カーテンが揺れる部屋 昨日と変わらぬ風景いつもと変わらない ごくありふれた そして ずっと待っていた君と笑い合う 夏来にけらし 幸せな風景

言い訳

こんな日は 日本襲来を企てた あの大国のことを思い出す ちょっとの雨で 「神風が吹いた」と帰還したのは 実に名案だったという話さ 「次は頑張ります!」ぐらいに言っとけば 殺されることもなかろうし もし罰があっても 束になって受ければ 個々には些事の…