処 暑

いつものように
電話を掛けて
いつもと同様に
他愛の無い話

ただ少し
いつもと違うのは
元気が無いことと
通話時間が減ったこと

そして
会話を終える頃になると
声に張りが戻る君に
僕は秋の気配を感じつつ

切れた電話を握ったまま
頬杖をつき
ため息をつき
ぼんやり外を眺める

窓の向こうでは
名ばかりの処暑
陽炎を揺り動かすけど

もう僕らの熱さは
とっくに落ち着いてるね