2017-01-01から1年間の記事一覧

絵 心

きみに 来年は犬年だから ちょっと描いてみてと言ったら その絵はまるでキツネ一回り前 あの時の恋人に 同じことを頼んだ時は スヌーピーみたいだったどっちがいいとか 悪いとかじゃなくて うらやましい限りなんだ 絵心の無い自分には……でも二人の未来には …

前振り

これから話す言葉を よく聞いてほしいけど 録音はしないでこれから話す言葉を ちゃんと聞いてほしいけど メモは取らないでこれから話す言葉を しっかり聞いてほしいけど 誰にも言わないでこれから話す言葉を 全部聞いてほしいけど その気にならないなら 途中…

あい変わらず

今年もこの季節だなクリスマスになると思い出す もう何年も前のことだから 話していい?とある女子から 少し高い品物をねだられたから バイトを掛け持ちして 頑張って買ったんだ体を突き抜ける風は 泣きそうなほどだったけど お金が貯まった時は 思わずガッ…

リバイバル

覚えのあるメロディが ラジオから流れてくる繰り返し聴いていた あの曲のカバーだ新しくなった分 ビートが軽快だけど サビのアレンジは 前の方が良かったなだけど再び この歌が世に広まって 元気になる人が 一人でも増えるといいね僕みたいに……そして 口ずさ…

コーヒーミルの夢

その昔 いつも楽しそうに コーヒーを飲んでくれてたカップルたまに紅茶や コーラなんかに変わったけど 翌週には元に戻ったよねやがて二人が来なくなって 長いこと心配してたけど 突然また店を訪れてくれたのは とても嬉しかったよしかも ママにベッタリのボ…

生生流転

静まり返った枕元に 秒針の音だけが響く真っ暗なラックの上で 電器のデジタルだけが進むこんなささやかな動きしか 認識できない部屋だけど こうしている間にも 誰かが歓声で誕生し 誰かが涙で終わりを迎えてる どこかできっと与えられたものを それぞれの胸…

杳として

どうしてなんだろう クローバーの群生に つい四つ葉を探してしまうのはなぜなんだろう 満天の星屑の中に つい星座を探してしまうのはどうしてなんだろう 羽ばたく鳥の集団に ついリーダーを探してしまうのは見つけたところで どうなるわけでも 何かが変わる…

自動運転

「ねえ 自動運転っていいわね だって居眠りしてても 目が覚めたら着いてるなんて! そんなクルマ 早く普及するといいわね」そんなことを言ってた君と 長距離のドライブでもその口からは 何も語られることはないだってスヤスヤ いつもの深い夢の中で……ひたす…

ぬるま湯

ぬるま湯の中に入って もうだいぶ経つないい気分だ もう芯からフニャフニャいつかは出なきゃいけないけど なかなかその気にならず むしろ眠気に包まれるということで もうしばらくこのまま……やがて飽きるはずだから その時には出て行くよ誰かが氷塊を入れるか…

エスケープ

強いしがらみが 体を締め付ける いつまでこうしてるんだろう仲間という言葉が 心を縛り付ける どこから抜け出せるんだろう気持ちが遠のくばかりの 中身のない絆なんて真っぴら全てのことから 今すぐ切り離されたい……誰か解放してこの奇異な場所から 本当の光…

偶然という必然

どういうわけか 君と出会って どうしたことか ふたり暮らし始めてどうなるかなと 思ったけれど どうにかこうにか うまくいってるたまたまみたいだけど 実は つながるべくしてつながった 結ばれるべくして結ばれたそんな気がして 仕方がないのさ偶然という状…

追いかけっこ

敷き詰められた枯れ葉の上を はしゃぎ声が滑っていくボールを追いかける子どもと それを追いかける母親そして 二人を追いかける風と それを追いかける高天の光秋の柔らかな昼下がり…… 柔らかな昼下がりの公園……外界の喧騒を断ち截って 独りサラサラと思索に…

決済基準

「あー、田中課長」 「はい! 菊池支店長」「この決裁書だが 本当に有効な投資なのかね」 「はい! 事例を鑑みても 必要不可欠なシステムです」「分かった そこまで断言できるなら 導入で印を押すとしよう」 「ありがとうございます!」良かった〜 これで仕…

忘れもの

無くなる前に 取りに戻らなきゃ風に吹かれ ホコリまみれだけど色あせて 飛ばされそうだけど機会を逃す前に すぐ手にしなきゃまだきっと そこにあるから

Sunset Memory

そうそう あの子たちぐらいの年だったね 初めて並んで帰ったのは一緒の道は1キロぐらいかな その間にいろんな話をして 途中の緩い坂道では 自転車から降りてまで おしゃべりに花を咲かせたそして途中で 猛スピードの友達から 追い抜き際に冷やかされたけど …

淡 々

つまらないテレビに うなずきを一つつまらない夜に あくびを二つつまらない電話に 相づちを三つつまらない今日の ため息は幾つ

空合い

降っては止み 止んでは降りの空模様もうどれくらい 太陽を見てないだろうか季節の変わり目は 不安定なことが多いのも こんな天気が 少なからず影響しているはずでも だけど心の中は ここ最近ずっと快晴さだって今日も偶然 改札の前で きみに挨拶できたから単…

alive

まったくついてない まるで不幸のかたまりだそう感じてばかりの日々あいつと違って鈍感 こいつと違って臆病そいつと違って不器用 どいつとも違って無能それでも…… 恐らく 十分に幸せなんだろうここにこうして まだ生きているだけで

何? 何

「あのね」 「ん? 何?」「あ、何でもない」 「何? 何 気になるじゃん」「えーと…… やっぱりまたね」「そう? じゃ 気が向いたらいつでも言って」「いや やっぱり話しておくよ 実は……」 「待って!」今日はその話 何だか聞きたくない

灯 台

いつというより いつかのために何にというより 何かのために ずっとここに 立ち続けているどこというより どこかで誰かが この光を頼ってくれるそれだけで充分それこそが 私がここに在る その全ての理由……だけど 戻っておいで この明かりを探して

大事件

あっ!……思わず触れたきみの手に つい心の中で叫んでしまったフカフカな肌ざわりは 想像どおりだけど 意外と冷たかったことに ちょっとビックリだけどいいのさ いい感じでちょっとずつ 好きになっていくだけだからでも一年後 もし恋人同士になっていたら こ…

容 赦

いま立ち上がる 裏切られ 傷つけられ 抹殺された自分そして この剣に対峙しているのは そんな目に追いやってくれた 憎らしい連中の記憶だけど どうしようか もう許してやろうかこんなゲス達の血で 刃が汚れるのは御免だし しかも こいつらは覚えていないだろ…

ビタミン

最近どうも やる気の起きない体何をするにもダラダラで あーもういいやと 足早に過ぎていく時間に ため息を乗っけるだけそう言えば 切り札のビタミンを ずっと摂り入れてなかったから…… だから、だな若い今こそ 欠かさず補給しないとね 疲れた心身によく効く…

感 涙

綺麗なドレスをまとったお前が 伏し目がちに読み上げる 私たちへのメッセージそこによみがえる 無数の思い出は眩しく そして切なくて つい涙が流れてしまったよ娘の前でだけは 絶対に泣かぬよう 固く誓っていたのにないつまでも俺は 少なくともお前にとって…

冷 気

寒い…… どうしてこんなに冷え込むのたしか昨日も 30℃以上あったはずなのに 白い息を吐きながら ただひたすら歩く家に着いたら ストーブの前に陣取って 膝の上に猫を乗せて 甘いココアで温まろうだけど 道のりが遠い と言うか 今どこなのか分からない…… 帰る…

食 欲

パクパク……明日のテスト いい点が取れるかなぁモグモグ……今度の日曜日 ちゃんと晴れてくれるかなぁズズーッ……この恋 いつまでもずーっと続くかなぁひとたび考え始めたら 心配で心配で ろくに食事も喉を越さないよ三杯ぐらいしか……

トンネル

暗いトンネルに迷い込んでも 引き戻そうとしないで…… 入って行くことで 何かが見つかるはずだから深いトンネルをさまよっていても どうか呼びかけないで…… きっとあせって 自分を見失ってしまうから長いトンネルを抜け出す時 必ず出口に立っていて…… よろけ…

バリュー

疲れたのかい? おいで 日除けに休ませてあげようつらいのかい? おいで 風除けになぐさめてあげよう悲しいのかい? おいで 雨除けに楽しませてあげよう……しんどくないのかって? 僕は大丈夫 むしろ嬉しいさこんな自分でも きみの力になれるなんて

百戦錬磨

「ねえねえ この意味って分かる?」 「ひゃくせんれんま、か…… いっぱい戦いを経験して もう負け知らずって感じかな」「へえー 実際そんな人いるかなぁ」 「っていうかお前 こんなことも知らないの?」「どうせ私は知識が無いわよ もう一緒に海になんか行か…

脱 出

抜け出そう このゴチャゴチャした群から抜け出そう このガヤガヤした集団から違う道を歩きたい……? 一歩先を歩みたい……?そんな理由じゃなく ただ ひとりになりたいだけ静かに時を過ごしたいだけだから抜け出そう このゴミゴミした世間から何もかも蹴散らして