直 進

全ての車両に
幾多の思いを乗せた電車が
静かに動き始める

徐々に上がるスピードは
大方の人には滑らかなんだろう
けど
自分にとっては
やがて訪れるはずの
曲がりくねったレールが不安なばかり

案の定
カーブでの車輪のきしみが
胸の奥まで突き刺さるけれど

でも
ここを過ぎたら
ふらつくことなく
しっかり前を見れるかな

ここを抜けたら
痛みも癒えて
まっすぐに進めるかな

終点まで直線に伸びた線路と
この身にも注がれる
窓いっぱいのストレートな陽光のように