美 味

正午のチャイムと共に
TVも聞こえないほど
にぎわい出す食堂

テーブルを挟んで
雑談に花を咲かすと
いつしか話題は
初めて好きになった異性に……

自分に振られる度に
ベラベラ喋ったり
あるいは知らんぷり

いつしか箸も止まって
せっかく温めたご飯も
もうすっかりパサパサだ

でも
冷めてもおいしいのが
香ばしいふりかけのお弁当

そして
甘酸っぱい初恋の味