2016-01-01から1年間の記事一覧

挨 拶

「マジっ!?」斜め向かいの席の君と 偶然にもバッタリ再会何年ぶりだろう あわてて目をそらしたけど 相変わらず 君の注文はレモンティーメイクも上手になって とても元気そうだそんな君にお辞儀のつもりで ゆっくり上体を曲げたんだけど 分かってくれたかな縦…

ひっそり閑

同じ幼虫なのに どうして青虫じゃなくて 僕は毛虫なんだろう同じ4枚の羽なのに どうして蝶じゃなくて 僕は蛾なんだろう誰からも避けられ 被写体にもならず 絵画に残ることもないだから いいんだけどな追われた先で ひっそりと暮らしていく こんな静かな毎日…

バランス

天秤に掛けられて ここに来た天秤で弾かれて きみの元にやって来たドキドキだったけど きみとの天秤は いいバランス上がったり 下がったりの とてもいい釣り合い

小休止

耳をふさぎたくなる程の 土砂降りだったのに何度寝返りを打っても ちっとも眠れなかったのに 一夜明けたら まるで嘘のような静けさ……何て清々しいんだろうできるなら この青空がずっと続けば こんなに素敵なことはないんだけど 明日にはどうなるか 誰にも分…

ヒ ゲ

なぁ知ってる?昭和の時代の話だけど 奥さんの尻に敷かれている旦那が 「うちの女房にゃヒゲがある」 って歌う映画があったそうだ表現がおもしろいよね 遠回しだけど的確に 怖がっていることが分かってでも結構 我が家も似たようなもんだな ドッシリ構えて …

無い物ねだり

カラスくん 何を見ているんだい?ジェット機さ あんなに速く飛べて うらやましいよジェット機くん 何を見ているんだい?お月さまさ 雲に邪魔もされず うらやましいよお月さま 何を見ているんだい?見上げた空に浮かぶ きれいな星さ どの角度からも瑞々しくて…

踏ん切り

待望の映画が 始まろうとしている予告編だけで二人 感動で胸が震えたけど いよいよ本編が始まるでさ…… こんなに暗いし ハンカチもあるしだから 前もって言っておくけど 泣いてしまってもいいかな間違いなく 涙があふれてしまうから スッキリさせるには いい…

思 惑

お祭りに行って 何をしよう 何を食べよう 何を期待しよう何はともかく 遅くまで思い切り遊ぼう この友達ならではの 最高の楽しみ方でそう 来年は違う人と 一緒かもしれないからねひょっとすると 今日出会った 素敵な誰かと……

待ち合わせ

タイムスリップ…… それが ブラリと降り立った僕の 最初のインプレッションここでの待ち合わせは お気に入りだったな 約束より早い時間に来ては 飽きずに駅前をながめてやがて 人混みに光彩を放ちながら 僕の方へと向かってくる その君の真っすぐな笑顔に い…

ハイキング

にわか山ガールの君を連れて 僕の好きな渓谷を進む「すごいクレパスね」んー? 「な……なかなかの眺めだろ もう少し頑張れよ」実は 君には内緒だけど この奥には ぜひ見せたい滝があるんだ大自然の神秘に 大天然の君も きっと驚くはずさ「さあ、到着だよ どう…

明 星

今日も高く映える 宵の明星一番星と呼ばれ みんなに仰がれる まさに大スターさだけどやがて 無数の星に囲まれて その他大勢の仲間入り埋もれた存在に 誰が気づくだろう……でも大丈夫 ここにひとり ここでひとり いつも認識しているから唯一無二の その特別な…

エクスチェンジ

きみには少し早いけど 大人にならなきゃ分からないことが 世の中にはたくさんある国際情勢とか 社交辞令とか 男のロマンだとか 女のリズムだとか……ただ私は 大人になっても 分からないことだらけ好奇心とか 夢とか希望だとか……もしかしたら 大人になってしま…

再スタート

引き払う前に眺める 住み慣れたワンルーム意外と広かったんだな 荷物が無くなると そして キミがいなくなると……壁の奥まで笑い声が染み そしてあの日は ここで命を終えようとも考えた そんな 忘れられない空間だけどサヨナラ 角の美容院 サヨナラ 向かいのコ…

探しもの

どこだ? どこなの……あぁ疲れた 一体いつから 探し続けているんだろうどれだけ歩いても なかなか見つからず 誰に聞いても 何も教えてくれないもう 心が折れてしまいそうさだけど やっと見つけたよ やっと探し当てた……たったひとりの 欠けがえのない人を

ヴラニカ

母に手を引かれた 土けむりの道その彼方に建つのは いつも夜遅くまで遊んだ 祖母ヴラニカの家久しぶりの訪問だけど かつてのように 笑顔で迎えてくれるかな曲がり始めた腰で 息を切らし 幼い僕を追いかけていた貴女を 今日は一人 心からねぎらいたいのさそし…

君の名前

この改札を 今日も多くの学生が通る髪のきれいな人がいれば メイクの濃い人もいるけど 僕が気になっているのは すまし顔の君 ただひとりだけなのに君は いつも歩きスマホで 僕など眼中にないみたいせめて名前だけでも 知りたいんだけどなもう少し近寄ってく…

晴のち曇

また新たな朝が来る夢が終わって 夢を叶える朝が来る鳥は空を渡り 花は顔をほころばせる あたたかな朝大地が喜び 海原が弾ける朝みんなの笑顔が溢れる 楽しい休日の朝そんな素敵な朝の中 外出をためらう人は どこかにいるだろうか自分の他にも……

スパイス

目を覚ますと 自動的に 食事が準備されているそんなテレビを見たのは いつのことだろう もしかしたら 映画だったのかいずれにしても ずいぶん前の記憶なのに いまだに手作業だし こんな夢のような話は 実現には程遠いってことかな……なんてことを考えながら …

誤 想

通じ合わないから 終わりにしよう 通じ合えないから サヨナラしようがんばってきたよ 何とか理解するよう ずっとキミを見てきたなのにキミは とうとう完全に ブロックしてしまっただから これでおしまい もう何もない こっちからもキミを 拒絶し始めているし…

風物詩

葉桜を見上げながら 肌に感じる春芝生の柔らかさ せせらぎの静けさ 雲のなめらかさ 鳥たちの歓声麗らかな陽に撫でられた花も 日ごとに姿を変えていくそしてもう一つの 春の風物詩は いくら電話を鳴らしても 全く目を覚まさない君

拍子抜け

シュッ…… ビュッ……週末の試合をにらんで 僕はバットを振る あいつの速球をイメージして 風を切り刻むどうしても勝ちたい いや それ以上に 大きな一発を放ちたい観戦に来てくれる君の 誕生日を祝うのさ 僕の豪快なホームランでその一心だけで バットを振り続…

やり直し

あの時に戻って やり直せないだろうかあの場所に戻って やり直せればいいのになそれさえできたら 今の毎日は ずっと快調に進んでるはずだけど いくら嘆いても それは無理なことだから 自力で明日を変えてみるよひたすら頑張るだけ何より あの頃に戻ったら ま…

的 中

半年ぶりにやって来た 遠い山のアーチェリーは 空も穏やかで 絶好のゲーム日和なのに…… 思った以上に 腕も勘も落ちてしまって ちっとも当たらないなインナー10さえ狙える君とは まるで正反対だよ「でもいいんだ 君のハートは射止めてるから なんて言わないで…

さくらごち

顔を上げてみないか 空は明るいし 深呼吸してみよう 大気も柔らかいよいつからかずっと うつむいたままのキミへ そう伝えたいだけど 余計なことだね 時にニコニコしながら スマホを操ってるキミには……そう 春の訪れなんて ごく当たり前のことと 思ってくれて…

コネクション

幼い頃は 星に願いを求めていた若い頃は 星に助けを求めていたやがて いつの頃からか 星に癒しを求めていたそして今は 星にロマンを求める生きとし生けるもの全てと 私がつながるように

Get up !

あせらず あわてず あきらめずいからず いばらず いきがらずうらまず うかれず うらやまずえいごう えがおで えらぶらずそして終わりに 大きく 起き上がれ!

恋人同士

「なあ、俺たちって……」 「なあに?」 「周りの人には 恋人同士に見えるのかな」 「それいいね ラブラブカップル!」グラスを指に絡ませ 無邪気に笑う君だけど 何とも変な気分だよ特に意識もしなかった 幼なじみの君と まさかレストランで 二人での食事だな…

健 康

毎年 春を迎える前に いつも掛かっていた風邪乾燥した空気のせいか 運動不足のせいなのかでも キミと暮らし始めて以来 ピタリとひかなくなったのさそれは 食生活が改善されたのか それとも 気合いが入っているからかあるいは いつも布団が暖かいせい だから…

購 入

買うか止めるか 散々悩んだこの一品実物を眺めるか 写真で済ますか 散々迷ったこの逸品しかし 思案の末ついに注文 そして待望の到着なのに 梱包を解くでもなく ましてや 神棚に飾るでもなく玄関先で 埃に侵されている段ボール箱結局自分が買ったのは 品物で…

紙一重

キミは 世界で一番キライな人我がままで 欲張りで 高慢ちきでズル賢くて したたかで すごい気分屋だからキミは 世界で一番キライな人かつては…… 世界で一番 好きだった人なんだけど