2016-05-12 ヴラニカ 母に手を引かれた 土けむりの道その彼方に建つのは いつも夜遅くまで遊んだ 祖母ヴラニカの家久しぶりの訪問だけど かつてのように 笑顔で迎えてくれるかな曲がり始めた腰で 息を切らし 幼い僕を追いかけていた貴女を 今日は一人 心からねぎらいたいのさそして 途中から道をそれ 小高い丘に着いた僕は そっと帽子を脱ぐVeronica…… ありがとう どうかゆっくり休んで刻まれた名前の上を 静かに流れる雲影のように