2018-01-01から1年間の記事一覧

頭打ち

当然かも知れないけれど 俺と父は 似ている所が多い趣味の絵画や スポーツではテニス Jリーグの応援チームも同じ……にとどまらず 古いディスコに乗っかって 今夜もスーファミで対戦高校生になったら 顔つきも似てきたし 身長もいよいよ 追いつきそうな勢いだ…

風の便り

風の便りで きみは幸せに暮らしてると聞いた それが何だか嬉しくて だけど何だか切なくて風の便りで あいつが困ってると聞いた それが何だか切なくて だけど何だか楽しくて風の便りで あの人は生き延びてると聞いた それが何だか楽しくて だけど何だか苦しく…

デリート

あの頃の自分は 葬り去ってしまおう あの頃の自分は 無かったことにしよう悲しくなると忍び寄る 消したい記憶 切なくなるとよみがえる 真っ黒な経験それらは いくら奥深くに押し込んでも ポンと顔を出すからあの頃に自分は 存在しなかったことにしようそれか…

コレクション

集める…… 集める……ミニボトルを集める 珍しい空き缶を集めるカラフルなルアーを集める この作者の文庫本を集める小遣いをやり繰りして 無理なく…… 無駄なく……「だいぶ集まったのね」 「うん、そうだな」でも まだまだほど遠いよ君のポイントカードの枚数には

HSP

出会わなければ良かったのかな 二人は……もし出会わなければ ののしり合うことも 軽蔑し合うこともなかったのにでも出会わなければ 喜び合うことも なぐさめ合うこともなかった奇跡のような出会いだったから 大切に育てていきたいなのに 気持ちばかりが空回り…

Condolences

もう止まないのかと思った雨が まるで嘘のように 我が物顔の太陽が笑っている少し加減してほしいくらいに ジリジリと照りつけている怖いのは熱中症だけど 今は我慢か…… がれきの下まで 土砂の奥まで よく見通せるから気がつけばもう夕下がり遠くで雷鳴が聞こ…

だるまさんがころんだ

君が見てないから ちょっとつまみ食い 君が見てないうちに ちょっと耳掃除君が見てないから ちょっと大あくび 君が見てないうちに ちょっと火遊び……「だるまさんがころんだ」残念でした 目を閉じてても 全部見えてるわよ!そんなわけで 負けた僕はつかまって…

三大義務

「なぁ 国民の三大義務って知ってる?」「聞いたことはあるけど 早寝・早起きと、あと何だっけ」 「何言ってんだよ 快食・快眠と もう一つが分からないんだよ」「歯みがきじゃないの?」 「いや、快で始まる言葉だ」ふーむ……そりゃ快食・快眠とくれば 残りは…

ブサイク

ケンカ別れの後 横目に飛び込んできた ガラスに映る醜い顔それはまるで 愚か者のようで 痴れ者のようで…… よくもこんな顔で 偉そうなことが言えたものと 暗い路にため息を這わせるよくよく考えてみると この顔に頬を寄せてくれるのは アイツをおいて他にない…

貧乏性

お偉いさんの退屈なスピーチ 緊張したままの司会者大切な式が粛々と進められ 各賞が次々と手渡されるするとついに おいらの名前が読み上げられ そして受け取ったのは 審査員特別賞!……う〜ん 何か微妙だな特別賞ってのは 取りあえず何かやっとけ という物だ…

天 使

あんなに騒がしかった教室が 一瞬にして静まり返るそんな経験をしたある時 「天使が通り過ぎたぞ」 と級友はつぶやいたおもしろい言い回しだが 実際には そんなことなどありはしない天使なんて どこにもいやしないし 元はといえば フランスのことわざだしし…

不 滅

不滅の物って 何だろうな温暖化が進んでいくと 生命は滅ぶかも知れないし 逆に太陽が燃え尽きたら 地球自体が無くなるらしいそれを見つめていた空は ただの空間と化してしまうし そこに散らばる星たちも 遠い先には消えていくそうそう星といえば昔 あるスタ…

ライバル

小学生の時は かけっこでいつも勝ってたけど 中学生の時は ソフトでいつも打ち込まれたそんな俺は進学校へ行ったけど お前は オークラドンだか何だかに留学大の親友で いつもライバルそんなお前が こんな綺麗な人と結ばれるとは 今日は完全に俺の負けだよで…

独りの夜

深く澄んだ空に おぼろ月が上っていくその下で静かに 部屋の流れを見つめてる突然飛び出したきみを 追いかける気力もなく ただ茫然と座り込んでいたけど久しぶりの孤独な夜が どう過ぎて行くかの見極めには いい機会かも知れないそう考えて 時間に乗っている…

パノラマ

あの頃 空はどこまでも青かった あの頃 波はどこまでも高かった明日なんて 起きたら勝手にやって来るものだった 未来なんて 考えるに値しないものだった……そして あれから どれほどの靴を履き捨てただろうどれほど髪型を変えただろうか……何もかもが変わった…

だまし合い

「えーっ! 何で?」いきなりのマジックに 君は目を白黒させる「ここがこうだから……ほら みんなだまされるのさ」 「そっかー でも手先が器用じゃないとできないね」あとセンスも必要だ 言葉遣いとか注意のそらせ方とかうまく驚かすには それなりのテクニック…

ディスタント

徐々に日差しを呼び戻す まだ人影もまばらな浜辺ここは 名前も知らなかったキミと 一日遊んだ場所だから 久しぶりに訪れても 思い出がリアルに押し寄せてくるよ日焼け止めを忘れたのに 開き直ってはしゃいだり 波に揉まれちゃって 苦い顔で咳き込んだりと ず…

フォークソング

小さな溝に沈み込んで ドーナツ盤を走る針思うがままに買った 時代を感じさせるレコードだけど 心の乾いた自分には 素朴なフォークがよく似合う次はシグナルで その次はふきのとう バズってどんなんだろう……街の流れも技術の革新も 45回転のスピードだけど …

再春賦

軽やかな歌声に胸を弾ませて 一年ぶりにやって来た公園相変わらず静かで きれいな場所で さすがは君のお気に入り古びたベンチに腰を下ろし さくら餅をひとつ頬張ると 僕に向けられた 突然のシャッター音とそして 森に吸い込まれた君の笑い声が 風の妖精を呼…

リトライ

初めて舞い降りた場所なのに 心地よい風が 歓迎してくれている初めて降り立ったはずなのに どこか懐かしい そんな感じがする遠い所へ行くのは みんなは否定的だけど 固く心に決めたことしかも こんな追い風を 吹き流すのは勿体ないだから ここから始めよう …

リラックス

背伸びと共に仕事を終えて 足早に暮れる家路を急ぐインコにエサをあげたら ガムを噛みながら 犬の散歩で町を一周学校と塾から帰って来た 子供との食事を準備し 風呂と宿題が終わった後は 本気モードでゲーム対戦シャワーの湯気で視力を戻し 冷たいジュースを…

換 気

茶色く濁っていた道に アスファルトの匂いが戻り ノロノロ運転だった車が 颯爽と駆け抜けて行く見せかけばかりの陽光も 徐々に勢いを付け始め 部屋の片隅の鉢植えに パワーを注ぎ込んでいるやっと 季節が変わってくれた……気がつけば窓の氷も すっかり溶けて…

ワンダラー

僕が見たかったものは 何だろう 僕が知りたかったことは 何だろう触りたかったものは 何だろう やりたかったことは 何だろう僕が欲しかったものは 何だろう……答えが出ないから 探し続ける ひらめかないから さまよい続ける僕は 迷ってばかりのWanderer + 今…

体たらく

健診の結果? 見てのとおりさ かつてメタボと診断されて もうどれぐらい経つだろうどうよこの腹 まさか俺がこんなに太るなんて 誰も想像できなかったはずだ陸上ではいつもお前と競って 県大会で優勝したことも 遥かな過去の栄光さでも でんぐり返しと逆さ回…

不 要

豪邸なんて要らない 管理が面倒だし 分厚いステーキも要らない 食べきれないし外車なんて要らない ぶつけたら痛いし アクセサリーも要らない 着ける機会がないし羽毛ふとんなんて要らない コタツがあるし 最新ゲームソフトも要らない 毎日が何かの試合だし私…

アツい

アツい…… かなりの熱が出ているカイロはとっくに 冷めてしまって かじかむ指先は 痛いぐらいなのにアツい…… 頭も体も燃えそうだ昼になっても 気温は上がらず 南からの風は まだまだ先なのにアツい……!頬張ったチョコが すごい勢いで溶けていくよ突然のきみに…

ベクトル

ふたり並んで 真っすぐ歩いていたけれど ささいな食い違いから生じた ほんの小さなのズレわずかな角度だと 気にも留めずにいたら いつしか君は遠い向こうでもう手もつなげないし やがて声さえ届かないなので これでおしまいそばに寄り添うには 二人は出発点…

職場にて

ふと訪れてみた君の職場急だったものだから 少し驚かせてしまったけど ちょうど接客中だったその声に 何だか張りが出たみたいだ動きもテキパキしてるけど いつもどおりなのかな 僕だったらきっと 君の姿を見た途端に 敏速になるんだろうけどねそうこうしてる…

ホワイトアウト

ホワイトアウトって 耳にしたことがあるだろうか雪や雲によって 視界が白一色となる現象地形の起伏や方向が 識別できなくなる現象 太陽の位置が判別できず 天地の識別も困難になる現象そしていま自分は ホワイトアウトの真っ只中雪は 全然降ってないけれど……

My Vernal Days

青春の日々の記憶それは 勉強のタイクツな思い出 部活でのしんどい思い出 初恋の切ない思い出営業の苦しい思い出 居酒屋でのケッサクな思い出 新婚の甘い思い出そして 昇進の嬉しい思い出 PTAでの気だるい思い出 町内会の面倒な思い出……我が青春の日々そ…