再春賦

軽やかな歌声に胸を弾ませて
一年ぶりにやって来た公園

相変わらず静かで
きれいな場所で
さすがは君のお気に入り

古びたベンチに腰を下ろし
さくら餅をひとつ頬張ると
僕に向けられた
突然のシャッター音と

そして
森に吸い込まれた君の笑い声が
風の妖精を呼び覚まし
満開の枝を大きく揺らす

あぁ
今年も来れて良かったな……

花吹雪を追いかける君と
そんな君を追いかけながら
僕はそう思うのさ

誰もいないから
大声で叫んでもいい?

今年も
一緒に来れて良かったと