フォークソング

小さな溝に沈み込んで
ドーナツ盤を走る針

思うがままに買った
時代を感じさせるレコードだけど
心の乾いた自分には
素朴なフォークがよく似合う

次はシグナルで
その次はふきのとう
バズってどんなんだろう……

街の流れも技術の革新も
45回転のスピードだけど
時に立ち止まって聴きたいのは
心が優しく包まれる
こんなシンプルなメロディ

走り続けた自分になびく
小気味よい風のようにね……

だけど
レコーディングした方としては
そんな呑気なものじゃなかった
かも知れないけれど