つゆ知らず

何だか寂しそうな君に
ありふれたギャグを一発

すると意外にも
ソッコーで笑ってくれたから
続けざまに!

と思ったけれど
これ以上は逆効果かな……
そう感じて
とっさに言葉を呑み込んだ

その後は
軽い会話を二言三言
やがてチャイムが響く校舎に
君は足早に消えて行く

でも良かったな
いっ時だけど
元気になってくれて

実のところ
露と消えたかった自分だけど
おかげで少し持ち直したよ
あのコの存在は特別だから

もちろん彼女は
何も知らないだろうが