顛 末

このバイトも長いな

今日も嫌な客にムカついたけど
ここまで続けてこれたのは
やっぱり
店頭で頑張るあのコのお蔭

裏でグッタリな時
通りすがりに笑顔をくれると
つらさもパッと吹っ飛ぶし
たまに一緒になる帰りも
わずかな会話だけで
なぜかとても癒されるからね

そろそろ
どこかに誘ってみようかな
オッケーだったら
より楽しく仕事ができるし
もしダメだったらもう
これを機に辞めればいい

いや、だけど
残された彼女が思い悩んで
これ以上細くなるのは困るし
さてどうするべきか!

う〜む…………

「で、どうなったんですか? 店長」

「こないだ女房に会っただろ
巨体に……
あれがその10年後だ」

「あら……」