少年の夏

カブトムシ捕獲のため
必死にしがみついた木の幹

やがてズブ濡れになるのに
そろそろと入った川の中

行方を見失わないよう
夢中で追いかけた外野フライ

枚挙にいとまがない程に
子供の頃の思い出は
真夏の背景が多い理由

それは
きっと途轍もなく
楽しかったからに他ならない

そして今年もやって来た
心身を打ちのめす猛暑

この季節を快適に過ごす方法は
扇風機でもエアコンでもなく

少年に戻ることが
一番なのかも知れないな