2011-01-01から1年間の記事一覧

嘘道不審

これは自分の進むべき道ではない と分かっていても 歩ばねばならない時がある茨の中に逃げ込みたくても 丸腰では無謀すぎる引き返すこともできず 残された道は 前に進むだけだが待ち構えている 悪魔か恐怖の大王が 実は意外にも 真理を教えてくれるかも知れ…

追い風

正面から自転車にぶち当たる やたらと強い風その重さに耐え切れなくて 思わず切ったハンドルだけど何だ…… 進む道を変えただけで すごく軽快じゃないかこの流れのまま 違う目的地に向かおう最初に決めたあそこだけが 絶対のゴールじゃないし せっかく到着して…

ビ ル

都会の土には ビルがよく育つなぁ 気がつくたびに またぐんぐん伸びているでも困るのは そのぶん空が狭くなって 光は届いてくれないし 雲の様子も分からないもちろん 悪いことばかりじゃないけどね高くまで上れば どんどん空に近づけるし街を見下ろせば 自分…

恋 愛

鉢の中から芽を出したら やがて双葉が開き 茎が伸びて 少しずつ姿を変え毎日が楽しくて しばらくは忘れずに 水やりしているけれどいつしか 存在が当たり前になってくると ついつい手入れも 後回しになってしまうそれでも可憐に花を咲かせた時は 優しい気分で…

新天地

次の強い風で ここを離れて旅立とう 高い風に吹かれながら 広い世界を眺めようどこまでも遠く 空を舞い 枯葉のように 地面を転がってやがて どこかに落ち着いたら 素敵な出会いに 胸を躍らせるのさ新しい故郷で

相合い傘

雲のすき間からの 光に目を奪われていたら また傘を忘れてしまってたもう何本目だろう中には高くて オシャレだった物もあって なぜ本気で探さなかったんだろうか と思うけど記憶をたどると ホームにわざと 置き去りにしたんだったよ相合い傘の思い出と共に………

顔 施

ろくに休みも取れず 毎日クタクタの君に 僕は何ができるだろう優しく肩を抱き寄せることか ジョークや噂話で笑わせることか互いの思いにズレがあって 余計に疲れさせてはいけない などと考えているうち 何もできずに結局 頭をかかえてしまうだけもちろん ガ…

涙の袋

今まで何度も泣いてきて もう涙の袋も カラになったんじゃないか と思うけどまだ少し にじむ程度は あるみたいだな瞳を潤すぐらいは 残っててくれないと きっと困ることがあるから悲しみにしろ…… 喜びにしろ……

人 間

祈る……絶望の淵に追い込まれた時や 思いの全てを叶えたい時なぜ無意識に 手を合わせるのだろう 指を絡ませるのだろう普段は神様なんて 気にも留めないのに ひたすら心を込めているただひたすらに……そうか 多分それは こんな自分も 人間だからなのだろう

三 陸

いつか眺めたかった 遥かな海岸線も いつか乗りたかった のんびり走る鉄道もどこか遠くへ 行ってしまって 言葉を無くし… 町も消えたどうか がれきは そっとどかしておくれ材木の下には お世話になるはずだった人が 待っているかも知れないし鉄骨の下に眠って…

奇 跡

平凡な毎日の中に 平凡という名の 奇跡が存在している毎日が違っているのだから 良くも悪くも 衝撃的なことが起こる方が 逆に平凡なのだろうなどと 哲学者か何かを気取る僕を 何それ?って笑う君が 今日も普通にいてくれるそんな ここにも奇跡が……

斜 面

ブレーキを掛けずに 一気に下る道邪魔しないでくれ 向かう先には 長い上り坂が見えるから少しでも楽に上り切って 少しでも早く 苦しみから解放されたいんだ上った先が 下り坂とは限らないけれど その時はその時ともかく今は 可能な限り 勢いをつけておきたい…

梅の花が寒そうに 雪に揺れている 冷たい風の中で つぼみに戻りたがっている 「咲くタイミングを 間違ってしまったかな」 いや 君は正確に 敏感に時期をとらえて 開花したんだ 何も間違っていないさ 少し運が悪かっただけだよ

頬 杖

肩を並べて 体を揺すって 片方ずつ聴いていた 内ポケットのプレーヤーレールにリズムが絡まる度に 僕らは微笑みあってたね記憶のかけらを 追いかけながら 車窓に頬杖明日になれば あの陽は再び昇るけど 気まぐれな君は いつか戻って来るだろうか想いの全てを…

新しい空

光を求めて 歩き続けたけど 答えは見つからず厚い雲の下 木枯しの中 一人ふさぎ込んでいたそんな季節が 今は まるで嘘のよう君が微笑むだけで 街はやがて 淡いクレヨン色に 染まっていくから……春の妖精たちと 手をつないで舞い降りた 君と歩き始めるのさ新し…

新 歩

別れ間際に いつかまた会うかもね そう君は言ったそうだな、と とりあえず返事する確かに 世間は狭いし…… というか 僕らの行動範囲なんて たかが知れてるしでも もし会ったらどうする? なんてヤボなことは 言わないでおこうただ一つ もしいつか会ったならば…

ダッシュ!

急いで! 学校に遅刻しちゃうよ今日はどうしたんだろう 自転車がパンクしたのかな息を切らし 落ち葉をけって走る君でもスカートが飛び跳ねて 僕は真っ赤になっちゃうよいや 赤いのは元からだな……僕? コンビニの前にたたずむ ただの郵便ポストさ

いつも何気なく 存在していた空が 今日はやけに 明るく感じるそうか もう春も 間近なんだな暖かくなったら どこへ出かけて 何をしようか今までじっとしていた分だけ いっぱい夢が膨らむね春という名の 君はそんな季節

各駅停車

各駅停車に 乗って行こうそんなに急ぐことはないし あせらなくても大丈夫早く着くのはいいけれど 少し飛ばし過ぎたからしばらくは このまま揺られていようゆっくり思い出を 胸に刻みながら

いつも突然 目の前に現れる君その瞬間から 胸の中は 幸せに満ちあふれる言葉なんかいらない ただいつまでも 見つめていたいだけでも君はやがて 静かに消えてしまうから 僕は再び当てもなく ずっと待ち続けるまた君と会える日を本当は もっと もっと近づきた…

爽 朝

小鳥がさえずるカーテンを 両手でそっと開けてみるアラームが鳴る前に眺めた街は どこか まだ少し眠たそうだけど静かに流れる時間の中 僕はいつものペースで 身支度を整える新しい靴をはいて いつもより少し 早く出会いたい気分なのさ洗いざらしの太陽と 鮮…