接 近

あの文房具店あたりで
君を追い越すのが
毎朝の僕の日課

一人で通学している君は
ちっとも目立たないけど
とても気になる存在なのさ

でもクラスが違うから
名前も趣味も
何も分らないことだらけ

君を抜かす瞬間
1mまで近づけるのは
話しかけることのできる
絶好のチャンスなんだけど

挨拶はおろか
振り返って微笑むこともできず
今日もまた
力なく校門にたどり着く

あともう少しだけ
自分に勇気があれば
こんなじれったい思いは
しなくて済むのにな

僕の思いなど
君は知らないだろうけど
何とか間に合わせなきゃ

迫りつつある卒業式

この日を
ため息で終わらせないためにも