2018-12-11 受験勉強 初雪の便りと共に 受験勉強の記憶が舞い降りるかじかんだ手を休め カーテンを少し明けてみると かすかに見えるあの窓には まだ明かりが点いていてあいつも頑張っているんだな、と 自分を奮い立たせながら 再び問題集に取り組んだっけその甲斐あって あいつは名門校に合格し 俺も無事に入学できた同じぐらい勉強したんだから 当然と言えば当然だよなただ少し違ったのは 俺は教科書をン十回も読まなきゃ 頭に入らなかったことぐらい……そんなことを思い出したのさ あの三流校も もうじき冬休みだと耳にして
2018-12-07 笑 い はは……ははは思わず笑う 笑いがこみ上げてくる体の力が抜けて 涙がにじんでくる誰かが言っていた 笑いは心の 最高の栄養素だとだから ついつい 笑ってしまうのかなこんなに哀しいのに……
2018-12-05 無理難題 高所恐怖症の君は ビルの屋上はおろか タワーからの展望なんて 論外中の論外それどころか 歩道橋さえも苦手だから 道の横断も 大回りに苦労するよね全くこれじゃあ 観覧車のてっぺんで 夜景をバックのキスなんて 夢のまた夢かいや、マイッタ……できることなら 少しずつ慣れるべく 背中を押すんだけどなぁせめて僕だけでも 高い所が平気だったら
2018-12-03 置いてきぼり いつ以来かな ここから街を眺めるのは知らないうちに 高いビルが建ち 気づかないうちに 風の流れも変わっていた楽しそうな場も広がり 人の往来も増えて こんなに遠くまで 活気が押し寄せてくる買い物をしている人も 食事を楽しむ人も 過ぎ行く時間の中から パワーを吸収しているかのよう……そしてそこに ずっと取り残されているのは 変化をためらう 自分ただ一人だけ
2018-11-24 ありがとう ありがとう 目の前に現れてくれてありがとう 話し相手になってくれてここに伝えたいのは 感謝の言葉ばかり……ありがとう 楽しい時間を届けてくれてありがとう いつも側にいてくれて
2018-11-19 顛 末 このバイトも長いな今日も嫌な客にムカついたけど ここまで続けてこれたのは やっぱり 店頭で頑張るあのコのお蔭裏でグッタリな時 通りすがりに笑顔をくれると つらさもパッと吹っ飛ぶし たまに一緒になる帰りも わずかな会話だけで なぜかとても癒されるからねそろそろ どこかに誘ってみようかな オッケーだったら より楽しく仕事ができるし もしダメだったらもう これを機に辞めればいいいや、だけど 残された彼女が思い悩んで これ以上細くなるのは困るし さてどうするべきか!う〜む…………「で、どうなったんですか? 店長」「こないだ女房に会っただろ 巨体に…… あれがその10年後だ」「あら……」
2018-11-17 マザー 母さん 俺はあんたを待ってたけど あんたが俺を待つことは無かった俺にはあんたが必要だったけど あんたに俺は必要じゃなかっただから あんたに伝えたい言葉は Goodbye……Goodbyeという そんな歌詞を読みながら 込み上げてきたのは心憂さ そして悲しさ……なんて気持ちよりも 嬉しさや安心感……かだってさ 代弁してくれたんだから 誰にも明かせなかった この胸の内をもっとも 今にしてみればもう どうだっていいことだけど