安心感


突然のお迎え依頼に
駆け付けた駅前の広場

寒さで顔を歪ませる俺に
「お礼だ!」と言いながら
ピッタリ寄り添う姉貴

一瞬驚き
「恥ずかしいからよせよ」
と言いつつも
幼いころに手を引かれた
あの落ち着く気分を
ひそかに楽しんでいる

恋人に腕をつかまれても
こんな気持ちにはならないけど
逆に自分はカノジョに
与えることが
できているんだろうか

そんなことを思いながら
歩き続ける
駐車場までの道

温もりと
安心感を携えて