レコード

ターンテーブルにそっと置き
静かに針を下ろす
少し傷の入ったレコード

にぎやかな曲が始まり
やがて
かすかに覚えのあるメロディ

さらに再生は続き
懐かしく甘い歌声が
頭の割れそうなノイズへと一変
やがてヒーリングが流れるも
聴けるのは途中まで……

さて
この次に奏でられるのは
軽快なポップスだろうか
それとも哀しいバラードか

それは決して
回らなければ分からないけど
希望という名の
ペラペラだけど丈夫な袋で
明日の鑑賞の時まで保管するのさ

自分だけの大切な
一枚だけのオリジナル盤