桜物語

細い枝の先々に
つぼみが一斉に並ぶ頃
僕は君を見送った

やがて花が咲き誇り
桜吹雪が舞う頃
君は新しい生活にも慣れ

葉桜の存在さえ
忘れ去られる頃
途絶えていった
遠い君からの連絡

あれから何回
季節が変わっただろう
頭の片隅からも
消えてしまいそうな中

今年もまた巡り合う
桜の花と
君と過ごした遥かな記憶